里芋の栄養価と薬効
栄養と薬効
原産地は熱帯アジア地方といわれ、日本人の祖先と一緒に日本へ渡ってきたという説が有力です。日本人とともに歩んできただけに、庶民の生活にしっかり根づいていて、東北の芋煮会など各地の季節行事には必ずといってよいほど登場しています。
里芋はサトイモ科の植物。里でとれるので 「里の芋 (里芋)」と名がついたようです。セレベス島からやってきたセレベスなどなど、里芋は変種を含めると200余種。でんぷんが主成分。あのヌルヌルの粘性の成分は、ガラクダンやムチンなどで、炭水化物とたんばく質の結合したものだといわれています。ガラクタンは脳細胞を活性化して老化やボケを防ぎ、免疫力を強めてガン予防に効果があるといわれています。
ムチンは、体内に入るとグルクロン酸という成分に変わり、胃や腸壁の潰瘍を予防し、肝臓を強化します。また、たんばく質の消化・吸収も高めます。
豊富なカリウムも魅力です。ナトリウムを排泄して高血圧に優れた効果を発揮します。ビタミン類は、B1が多く、C、カルシウム、鉄も含みます。
調理のポイント
白煮にする場合は皮をむいてから塩もみし、さらにゆでこぼしてぬめりをよくとってから使いますが、煮ころがしはぬめりを少し残して使い、汁ものに用いるときは、ぬめりをとらないで使ったほうが持ち味が生かせます。ムチンが目的なら下ゆではしません。
さて、ぬめりは、酢を入れた熱湯でゆでるととれます。これは、たんばく質が酢で凝固するためです。また、皮をむくとき手がかゆくなるのは、蓚酸カルシウムの針状結晶が含まれているためです。皮つきを洗ってから乾かし、それからむけば手はかゆくなりません。
選び方と保存
旬は秋から初冬。胴部がよく発達し、左右対称に整い、こぶがなく、皮に必要以上の湿気がないものが良品。肌に小さい縦のひび割れのあるものは、乾燥や高温が原因で肉質が硬化しています。
里芋は根菜であるにもかかわらず、腐りやすい。とくに、冬場の保存は要注意です。5度以下の低い温度だと長持ちしません。できるだけ泥つきを求め、残ったら乾燥しないように新聞紙に包んで室温 (15度くらい) で保存しましょう。また、泥つきでしたらみかんが入っていたネットなどに入れ、土の中に埋めておくのもいいでしょう。ちなみに、皮がむいてあったり、きれいに洗った真空パック入りのものは、入手後はすぐに使いきりましょう。
効果的な組み合わせ
豊富に含まれる食物繊維は、いか、たこ、えびに含まれるタウリンと組み合わせると、肝臓の働きを高めます。おふくろ味の〝たこと里芋の炊き合わせ″は、理にかなっている健康料理です。カリウムが多いので、塩分を控えたいときの食材にも最適です。