ネギの栄養価と薬効

12月 23rd, 2009

栄養と薬効
ねぎは、「日本書紀」 に記載があるほど日本人には古くからなじみのある野菜です。関東に多い根深ねぎ (長ねぎ)と関西の葉ねぎの2通りに大きく分かれるようです。
ほかに、群馬県特産の〝下仁田ねぎ″や、ぬたなどにする〝わけぎ″、柔らかくて細く、主に鍋の薬味として利用する〝あさつき″、芽を少しだけのばした細いねぎで、お碗に散らして使う〝芽ねぎ″などがあります。
ねぎ独特の刺激臭は、にんにくや玉ねぎと同じく、アリシン(硫化アリル)という揮発性の成分によるものです。アリシンは、ビタミンB1の分解酵素アノイリナーゼの作用を受けにくくし、吸収力が高まって、胃腸内に入ったB1を無駄なく、利用できるようにします。そして、その結果、B1の糖質の分解吸収を促進して体力回復などに役立ちます。血行をよくして体を温め、肩こりや疲労蓄積を防ぎ、神経を鎮め、また、体調を整えるのに役立ちます。
ねぎの白い部分に含まれるビタミンはCのみですが、葉の部分には、粘膜の健康を守るβ-カロチン・抗菌作用のあるビタミンCともにたっぷり含み、カルシウムも多く含まれていて緑黄色野菜といえましょう。
葉 (緑黄色野菜) は風邪の予防に、白い部分(淡色野菜) は、体を温めたり、発汗
作用を治療にと使い分けできます。旬の冬場に貴重な素材といえるでしょう。
調理のポイント
アリシンは揮発性で熱に弱く、良く煮込むと効力が激減し、あま味の成分に変化します。
また、水に溶け出る性質ですから、アリシンの活用には生食がおすすめ。白髪ねぎなどにして、2~3分水にさらし、なるべく生に近い状態で食べるとよいでしょう。

選び方と保存
根深ねぎは、薬の緑が鮮やかで濃く、白い根の部分が長く、茎が充実していてよく締まったもの。葉ねぎは、葉が鮮やかでみずみずしく、葉先までピンとしているものを。いずれも、白っぽい葉や枯れ葉がついているもの、表皮が乾いているものは堅くて味が悪いものです。
保存は、養分を奪う根を切って、ポリ袋に入れ、野菜室に冷蔵。泥つきなら、新聞紙に包んで冷暗所に立てておくか、庭土に浅く埋めます。
効果的な組み合わせ
糖質・ビタミンB1を多く含む食品と組み合わせるのが得策です。B1は、豚肉・ベーコン・ハム・うなぎ蒲焼き・かれい・大豆・たらこ・かつお・鶏レバー・枝豆などに含まれています。

ニンニクの栄養価と薬効

12月 18th, 2009

栄養と薬効
中央アジアが原産のニンニクは、5000年以上も昔、古代エジプト時代から強壮効果を目的に食べられてきた食材です。独特の刺激臭は硫化アリルのアリシンによるもので、主な薬効もこのアリシンの働きです。
アリシンは強い殺菌力があり、殺菌力は強力で体に侵入したウイルスも殺します。また、ビタミンB1の吸収を高めて、糖質の代謝を盛んにしてエネルギーを産出し、疲労を回復させます。アリシンを熟するとできるアホエンは血液をサラサラにして流れをよくします。このほか、スコルジンという微量要素を含んでいますが、スコルジンは新陳代謝をはかり、血行をよくする働きがあるので、冷え性や心臓病にもよいのです。
そして見逃せないのが、免疫力を高める作用です。ニンニクに含まれるセレンには抗酸化作用があり、ガン予防の食べものとして注目されています。
調理のポイント
にんにくの香りは切ったり、つぶしたりするとでてくるため、香りを強調したいときは細かく切るか、つぶすとよいでしょう。長時間加熱すると薬効成分が分解してしまうため、手早い調理が大切。

選び方と保存
発芽していない、堅く太ったものを。ネットに入れて風通しのよい場所につるして。
効果的な組み合わせ
ガン予防にはオクラ、ブロッコリー、にんじんなどビタミン類に富んだ緑黄色野菜と一緒に。体力増強には、豚肉、かれい、大豆などビタミンB1が豊富な食品と。

里芋の栄養価と薬効

12月 5th, 2009

栄養と薬効
原産地は熱帯アジア地方といわれ、日本人の祖先と一緒に日本へ渡ってきたという説が有力です。日本人とともに歩んできただけに、庶民の生活にしっかり根づいていて、東北の芋煮会など各地の季節行事には必ずといってよいほど登場しています。
里芋はサトイモ科の植物。里でとれるので 「里の芋 (里芋)」と名がついたようです。セレベス島からやってきたセレベスなどなど、里芋は変種を含めると200余種。でんぷんが主成分。あのヌルヌルの粘性の成分は、ガラクダンやムチンなどで、炭水化物とたんばく質の結合したものだといわれています。ガラクタンは脳細胞を活性化して老化やボケを防ぎ、免疫力を強めてガン予防に効果があるといわれています。
ムチンは、体内に入るとグルクロン酸という成分に変わり、胃や腸壁の潰瘍を予防し、肝臓を強化します。また、たんばく質の消化・吸収も高めます。
豊富なカリウムも魅力です。ナトリウムを排泄して高血圧に優れた効果を発揮します。ビタミン類は、B1が多く、C、カルシウム、鉄も含みます。
調理のポイント
白煮にする場合は皮をむいてから塩もみし、さらにゆでこぼしてぬめりをよくとってから使いますが、煮ころがしはぬめりを少し残して使い、汁ものに用いるときは、ぬめりをとらないで使ったほうが持ち味が生かせます。ムチンが目的なら下ゆではしません。
さて、ぬめりは、酢を入れた熱湯でゆでるととれます。これは、たんばく質が酢で凝固するためです。また、皮をむくとき手がかゆくなるのは、蓚酸カルシウムの針状結晶が含まれているためです。皮つきを洗ってから乾かし、それからむけば手はかゆくなりません。
選び方と保存
旬は秋から初冬。胴部がよく発達し、左右対称に整い、こぶがなく、皮に必要以上の湿気がないものが良品。肌に小さい縦のひび割れのあるものは、乾燥や高温が原因で肉質が硬化しています。
里芋は根菜であるにもかかわらず、腐りやすい。とくに、冬場の保存は要注意です。5度以下の低い温度だと長持ちしません。できるだけ泥つきを求め、残ったら乾燥しないように新聞紙に包んで室温 (15度くらい) で保存しましょう。また、泥つきでしたらみかんが入っていたネットなどに入れ、土の中に埋めておくのもいいでしょう。ちなみに、皮がむいてあったり、きれいに洗った真空パック入りのものは、入手後はすぐに使いきりましょう。
効果的な組み合わせ
豊富に含まれる食物繊維は、いか、たこ、えびに含まれるタウリンと組み合わせると、肝臓の働きを高めます。おふくろ味の〝たこと里芋の炊き合わせ″は、理にかなっている健康料理です。カリウムが多いので、塩分を控えたいときの食材にも最適です。

キュウリの栄養価と薬効

12月 2nd, 2009

栄養と薬効
原産地はインド・ヒマラヤ。インドでは3000年も前から栽培されていたといいます。胡(西方) から来た瓜とういうことで胡瓜の名がつきました。日本に伝わったのは6世紀ごろのことで、名前のきゅうりは、熟すと黄色になることから「黄瓜」が転じたといわれています。
いかにもきびしい暑さの中に育った夏野菜というにふさわしく、古くから東洋医療では、体の熱をとり、暑気あたりの食欲不振を治す、利尿作用などの効能があるとされてきました。
栄養面ではあまりパッとしないきゅうりですが、利尿効果は高く、「水気をおろす野菜」として人々に広く利用されてきたことは評価していいでしょう。これは水分とカリウム、イソクエルシトリンが含まれるためで、利尿作用、むくみを解消する働きがあるということです。
カリウムは塩分を体外に運び出し、血圧の上昇を防いだり、筋肉の動きをよくしたりする成分です。
夏は汗を大量にかき、汗と一緒にカリウムが失われて夏パテの原因にもなるので積極的にとるとよい栄養素です。
カリウムのほかには、ビタミン類・ミネラルをわずかに含むものの水分 (96%) がほとんどを占め、栄養価に期待するというよりも、歯ざれのよさ、みずみずしい味わいを楽しむ野菜といえるでしょう。
調理のポイント
きゅうりにはアスコルビナーゼというビタミンCを破壊する酵素が含まれていますが、酢を加えることで、その働きを防ぐことができます。また、50度以上の加熱でも酵素活性を失います。
生で使うときは、洗ったきゅうりに塩をふり、まな板の上でゴリゴリと転がす「板ずり」をすると、イボがとれ、鮮やかな色になります。生食だけでなく、いろいろな調理法を試してみてほしいものです。また、ぬか漬けにして、ビタミンB1の摂取に活用するのもよいでしょう。

選び方と保存
初夏から初秋が旬です。枝つきがみずみずしくないものは避けます。全体にはりがあり、濃い緑色でイボが尖って痛いくらいのものが新鮮です。また、太さが一様できりっと引き締まっているものを選びましょう。いわゆる尾太り、尻細り、中央くびれといわれる変形きゅうりは、露地ものは別として、栄養不良、その他の障害が考えられ、味もあまりよくないことが多いようです。

保存は、水けをふきとり、紙に包んでからビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で。
効果的な組み合わせ
際立つ栄養はないのですが、さわやかな食味で、夏の食欲不振を解消できます。ビタミンCを酸化させる酵素が含まれていることなどを念頭に調理し、献立に組み入れなければなりません。

ジャガイモの栄養価と薬効

12月 1st, 2009

栄養と薬効
原産地はアンデス。1589年、オランダ人がジャワのジャガトラ(現在のジャカルタ)から長崎の平戸に持ち込みました。
じゃが芋の品種には、男爵、メイクイーン、農林1号などがあります。主成分はでんぷんですが、ビタミンCやカリウムが多く、ヨーロッパでは「大地のりんご」と呼ばれ、健康野菜の代表格。

エネルギーはさつま芋の123キロカロリーに比べると、77キロカロリーと低いのが特徴です。また、ビタミン類はB1・Cが豊富。
ことに、でんぷん質にガードされた丈夫な、加熱による損失の少ないビタミンCが、傷ついた胃腸の粘膜を正常にもどしてくれるのは魅力です。
日本では胃潰瘍や十二指腸潰瘍にじゃが芋の黒焼きが有効といわれますが、不思議
なことに、はるか離れたドイツでも同じく黒焼きが胃腸によいとされているのです。
そのほか、塩分を体外に運び出し、血圧を下げるカリウムや、腸の働きを促進させる食物繊維も含んでいます。ただし、腎炎などでカリウムを制限されている人は多食を控えましょう。
調理のポイント
じゃが芋の芽にはソラニンという毒素が含まれていますから、芽はていねいにえぐりとらなければなりません。また、ビタミンC、カリウムとも水溶性の成分ですから、効用を100%活用するには煮汁ごと食べられる調理をするのがポイント。
芋の品種による調理は、男爵はでんぷんが多く粉質なので、調理法としてはゆでて粉吹き芋や、マッシュポテトなどに。メイクイーンは肉質が細かくくずれにくいので、妙めたり、煮込んだりするのに最適。
選び方と保存
旬は秋から初冬。品種を問わずふっくらとした形で表面に傷やシワがないものを。皮が緑色をしているもの、芽が出ているものは不可です。
保存の際は、どの品種も低温に弱いので、常温で、風通しのよい冷暗所に置いておき
ましょう。大量に入手したときは、段ボール箱に1~2個のりんごを一緒に入れておくと、り
んごから出る物質(エチレン)の作用で発芽を抑えることができます。
効果的な組み合わせ
ビタミンCの最も大切な働きは、皮膚や腱、結合組織などの主成分になっているコラーゲンの合成に不可欠な成分であることです。また、抗酸化作用・免疫力を高める・抗ガン作用などと重要な場面に働きます。
このビタミンは2~3時間で排泄されるので体に貯金ができません。毎食にできるだけ多く摂取することが大切です。ビタミンCの相棒は、発ガン物質の生成を抑えるβ-カロチンとEを。貧血予防には鉄とたんばく質です。

ピーマン・しし唐辛子の栄養価と薬効

11月 25th, 2009

栄養と薬効
■ピーマン
ピーマンはナス科の野菜で、唐辛子の仲間。原産地は中南米で、フランス語の 「唐
辛子」を意味する「ピマン」から名づけられたといいます。
成熟するにつれてカプサンチンという色素がふえて緑から赤に変わりますが、最近は品種改良により、赤・橙・黄色と、7色ものピーマンが市場に出回っています。
トマトの4倍のビタミンCとビタミンCの吸収を助けるビタミンPが豊富。ビタミンCはコラーゲンの材料になる、疲労回復など重要な働きをします。レモン汁の2倍近いビタミンCは貴重。さらにCの吸収を助けるP(毛細血管を丈夫にし、動脈硬化・胃潰瘍を予防) を含むので、加熱してもCの損失が少なくてすみ、効率よくとれるところが貴重。ことに、夏期は発汗によるCの消費が激しいので積極的にとるようにしましょう。

また、ピーマンの緑色は葉緑素によるもの。葉緑素=クロロフィルは余分なコレステロールが腸で吸収されるのを防ぎ、積極的に体外へ排出してくれます。旬の夏になると、この作用が強まり血液浄化作用なども加わるといわれます。
■しし唐辛子
しし唐辛子はピーマンと同じ唐辛子の仲間で、鷹の爪などの辛味種と、ピーマンなどの甘味種のちょうど中間に属しています。「しし(獅子)唐辛子」は先端がライオンの頭、あるいは鼻の形に似ていることからつけられた名前だといわれています。
収穫は本来実が緑色のうちに行われますが、熟した実も美しい紅色が好まれ、鑑賞用として利用されるようです。栄養と薬効はピーマンに同じです。


調理のポイント

ピーマンは組織が強固で、ビタミンCは、ほかの野菜のCと比べて、調理や保存での損失が少ないので、それほど神経質にならなくても大丈夫です。生か、妙めるのが薬効を生かす食べ方。
独特の香りも、湯通しなどで加熱すると抑えられます。油と相性がよいので、妙めたり、揚げたり、また肉を詰めて煮たり、焼いたりすると、おいしさもひとしお。油と一緒に調理
すると、β―カロチンの吸収が促進されるメリットもあります。
しし唐辛子の色と香りを充分に味わうには、加熱時間を短くすることがポイントです。気をつけたいのは揚げものにするとき、はじめにフォークなどでいくつか穴を開けておくこと。そのまま揚げると。中の空気が膨張して破裂してしまい、やけどの原因になります。

選び方と保存

夏から初秋が旬。緑色が濃く肉厚で、つやとはりがあるもので、へタの切り口が新鮮なものを選びます。比較的保存しやすい野菜で、冷蔵庫に入れておくと日持ちします。ただし、あまり長くなると種が黒ずむので要注意。
効果的な組み合わせ
抜群の含有量・ビタミンCに対して組み合わせる工夫が一番です。β―カロチンも豊富ですから、ビタミンEを組み合わせて、ガンや動脈硬化予防に役立てるといいでしょう。
また、メラニン色素の生成を阻害したり、メラニン自体を無色化して、シミやソバカスを防ぎますから、皮膚の材料になるたんばく質でバックアップ。

きのこ類の栄養価と薬効

11月 22nd, 2009

栄養と薬効
気候が温暖で、湿潤な日本列島は、きのこの宝庫です。栄養的な特徴は、カルシウムの吸収を助けるビタミンD効果を持つエルゴステリン、美容ビタミンといわれるB2を含んでいることです。B2は、脂質や糖質の代謝をよくするビタミンとして働くほか、血中コレステロールを下げる作用もあるといわれています。

もう一つの特徴は食物繊維が豊富なこと。ガンをはじめ、生活習慣病の予防に有効なばかりでなく、便秘解消にも重宝します。そのうえ、ノンカロリーですからダイエットには最適。
■まいたけ
まいたけに含まれるグルカンという多糖類には、低下した免疫機能を正常にもどし、ガン細胞の増殖を食い止める働きのあることがわかり、注目を浴びています。また、活性酸素の働きを阻害するビタミンB2の含有量はきのこ類ではNo.1です。
■しいたけ
しいたけ特有のエリタデニンが血中コレステロールを抑制し、動脈硬化や高血圧の予防と改善に働きます。また、干ししいたけには豊富なビタミンDが含まれています。
このDはエルゴステリンという成分が日光を浴びてビタミンDに変化したものです。昨今は、電気乾燥ものが多いので、2時間ほど日光にあててから使うのが得策です。
■えのきだけ
えのきだけには、ビタミンB1がとくに多く含まれます。ビタミンB1はエネルギー代謝を促し、ストレスを防ぎ、神経系の機能を正常に保つ働きをします。また、ビタミンB2やナイアシンを豊富に含むため、湿疹や吹きでものに悩む人に効果的です。
■しめじ
「においまつたけ、味しめじ」といわれるのは、うま味の素になるグルタミン酸などのアミノ酸をバランスよく含んでいるからです。ぶなしめじは免疫力を高め、ガンの進行を抑えると注目されています。
調理のポイント
ビタミンB群は水溶性です。しめじやえのきだけを料理に使うときは、煮汁や妙めたあとの汁なども残さず利用し、溶け出たビタミンをしっかりとりもどすのがポイント。
きのこは水につけると風味が落ちますので、汚れはふきんでふくか、手早く水洗いして、水けをよくきります。また、歯ざわりとうま味を楽しむためには、短時間加熱がコツ。火を通しすぎると身がやせてしまうので注意しましょう。

選び方と保存
しいたけは春から夏・秋から初冬が旬。しめじは秋から初冬。えのきだけは人工栽培のみで旬はありません。しいたけは肉厚なもので、かさの裏が白いほど新鮮です。裏が赤茶けているものは、味も香りも数段落ちています。輸入物も多く出回っていますが、椀ものなどは国産がいいでしょう。
効果的な組み合わせ
腸内の、コレステロール・有害物質・老廃物を便とともに排泄する食物繊維が多いきのこ類です。コレステロールの多い動物性食品と合わせるのは一法です。また、カルシウムの吸収率を高めるビタミンDを含むので、カルシウムの豊富ないわし・小魚・小松菜などとジョイントするのもいいでしょう。また、ビタミンB群にはたんばく質やビタミンEを組み合わせると、体力や気力増進、はりのある肌作り、動脈硬化予防に効果的です。

サツマイモの栄養価と薬効

11月 20th, 2009

栄養と薬効
スペインが原産地のさつま芋は、古くは享保の大飢饉(1732年) のころから、戦中・戦後の食糧難の時代まで、長い間、多くの飢えと命をつないできた優秀な野菜です。栽培が容易で、やせ地や悪天候の中でも育ち、収穫が安定しているからです。
さつま芋の主成分は炭水化物で、蔗糖や果糖、ブドウ糖などを含んでエネルギーを産出します。そのうえ、ビタミンC含有量は夏みかん並みで、100g中30mgと、芋類の中ではトップクラス。じゃが芋と同様、でんぷんに包まれていますから、加熱などによる損失の少ない、安定したビタミンです。

また、ガン予防に効果的なβ-カロチン(肉質が濃い黄色の品種に)やビタミンB1・B2・Eも含まれています。
そして、食物繊維がたっぷり。食物繊維は、腸内の掃除をしながら、美容の大敵・便秘を改善し、コレステロールを体外に運び出し、大腸ガンや動脈硬化の予防に役立ちます。
また、便通を促すセルロースや、便をゆるくする作用のあるヤラビン (切り口ににじみ出てくる乳汁) といった成分が多く含まれることも特徴の一つ。便秘予防に一層の効果を発揮します。また塩分を排泄するカリウムも多いので高血圧にも有効です。
調理のポイント
さつま芋は、時間をかけてゆっくり加熱したほうがあま味が強くなることをご存じですか。これはでんぷん糖化酵素・アミラーゼが含まれているからです。この酵素は時間をかけて60度くらいで加熱するとよく働き、さつま芋のあま味を強くします。石焼き芋がほっこりと甘いのに比べ、電子レンジで加熱したり、薄く切って焼いたものはあま味が少なくさっぱりとした味になるのはこのためです。あま味の強いのはベニコマチや高系14号といった品種。皮の近くに繊維が集まっているので、皮は厚くむきますが、便秘解消なら皮つきで。

選び方と保存
秋から初冬が旬です。色むらがなく、ふっくらとして皮のきれいなもの、ひげ根のあとが小さいものを。さつま芋は寒さが苦手で、水がつくと腐りやすいので気をつけます。冷蔵庫での保存は厳禁。室温で1ヶ月ぐらいは保存できますが、新聞紙で包んで室温で保存するとよいでしょう。
効果的な組み合わせ
ガンを予防するビタミンのトリオは、β-カロチン&C&Eです。ガンの発生に関与する活性酸素の活動を抑える、発ガン物質に対抗するなどと働きます。さつま芋はこれらの有効成分を含んでいます。そのうえ、発ガン物質を体外に排出する食物繊維が豊富ですから、ガンに効く食品といえましょう。
これらの働きに、組み合わせたいのはたんばく質。そして、β-カロチンの吸収をよくする油脂、または油脂を含む食品です。

蓮根の栄養価と薬効

11月 19th, 2009

栄養と薬効
原産地は中国・エジプト・インドと諸説があります。日本に渡来したのは鎌倉時代といわれています。清らかな花のたたずまいを愛され、観賞されてきました。食用に栽培されはじめたのは明治以降からです。

主成分は炭水化物。たんばく質とミネラルは少なく、ビタミン類ではCが豊富に含まれています。Cは、たんばく質と一緒に働き、細胞と細胞をしっかりつなげるコラーゲンの生成を促し、丈夫な粘膜にしてくれます。旬のころは風邪のシーズン。ありがたい野菜の一つです。

さらに、野菜には少ないB12が含まれています。B12は、貧血を予防し、肝臓の働きを助ける作用があります。また、食物繊維もきのこ並に多く含まれています。切り口が褐変するのは、タンニンによるものです。タンニンは消炎作用や収れん作用などで、疲れた胃腸のトラブルに作用します。これは緑茶にも含まれています。胃腸の炎症や潰瘍を改善する場合は、熱を加えずに絞ったままの生汁を飲んだほうが効果は高いようです。
また、れんこんの切り口は糸を引きますが、これはムチンという糖たんばく質の一種です。たんばく質や脂肪の消化を促進するので、胃腸の負担を軽くします。お正月料理の酢ばすは、ムチンの健胃作用で、過食や飲みすぎによる胃のもたれや、胸焼けをすっきりさせてくれます。
調理のポイント
通気孔の穴は見通しがきくとめでたがられ、おせち料理や祝い膳に使われます。切ったままにしておくと酸化して褐色変化を起こします。切ったらすぐに酢水に放します。また、下ゆでも酢少々を加えてゆでます。有効成分のビタミンCやムチンは水溶性です。アク抜きのときやゆでるときは短時間でというのがポイント。歯ざわりが残る程度を目安に。鉄鍋と接触すると青紫色になるので注意します。
選び方と保存
冬から初春が旬。切り口が新しく、表面につやがあり、傷がなく、茶色に変色していないもの。節と節の間が長くて太いものが良質です。穴の中に赤みがかったり、茶色のシブがついているものは鮮度が落ちているので避けるようにしましょう。そして、穴が小さいもののほうが良品です。漂白したものは避けましょう。
保存する場合はラップで包み、野菜室に冷蔵。日持ちしないので早く食べきるようにしましょう。


効果的な組み合わせ

栄養特性の、ビタミンCと食物繊維を中心に効果的に組み合わせます。ビタミンCには、β-カロチン&ビタミンEを組み合わせると、過酸化脂質の生成を抑えて、ガン・動脈硬化・老化の予防などに働いてくれます。たんばく質とは風邪などの感染症・美肌・抗ストレス作用に有効です。食物繊維は便通をよくして、動物性食品のコレステロールを体外に運び出します。また、貝類・いかやえびに含まれているタウリンとでは肝臓機能を高めてくれます。

ゴボウの栄養価と薬効

11月 16th, 2009

栄養と薬効
古くから、体を温め、解毒・解熱・発汗・利尿によいといわれてきた野菜ですが、食用にしているのは日本人だけ。その昔、ごぼうを食べたことのないアメリカ人は、ごぼうを木の根だと思っていたというエピソードがあります。
ビタミン類にはみるべきものはないのですが、繊維の多い野菜の代表。主な成分は炭水化物で、その大部分は消化吸収されないイヌリン、ヘミセルロースなどの食物繊維。ごぼう特有の歯ごたえや風味を作り出しています。
最近、注目されているのは、微量成分であるリグニンという物質。ガン予防と抗菌作用があるといわれている成分です。この成分は消化吸収されずに水分を取り込み、食べたもののかさをふやして腸のぜん動運動を活発にすることで、便秘を防ぐ働きをします。ごぼうが大腸ガンの予防に役立つといわれるのはこのような整腸作用のためです。また、便通をよくすることで、腸内の発ガン物質の停滞時間を短くするというメリットもあります。
コレステロールなども排出してくれるため、動脈硬化・糖尿病 (腸内に食物繊維があると、腸からの糖分の吸収速度が遅くなり、急な血糖上昇を防ぐ)などの生活習慣病予防の効用もあります。
調理のポイント
ガン予防に威力を発揮するリグニンは、切り口に発生する性質があり、時間がたてばたつはどふえます。切り口の表面が多くなるよう、〝ささがき″などを使った調理法にするとよいでしょう。また、ごぼうは皮と身の間にうま味、香り、薬効成分があるので、皮は、たわしで洗う程度で。また新ごぼうの場合は泥を落とす程度に洗うくらいで充分です。
選び方と保存
出盛りは10~12月。新ごぼうは6~7月に出回りますが、収穫後2~3日で店頭に並ぶ新ごぼうは柔らかく、みずみずしい香りがいっぱいなので、年に一度は掘りたてを存分に食べたいものです。
上手な選び方は、2cmぐらいの太さですらりと伸びたもので、ひげ根が少ないものを求めましょう。太くなりすぎたごぼうは、アクが強く、堅いうえにに〝す″が入っていることがあります。茎のつけ根あたりが黒ずんでいたり、ひび割れたものも、〝す″が入っている場合が多いようです。
保存は、泥つきは新聞紙に包んで冷暗所に立てて保存。洗ってあるものは、ポリ袋に入れて野菜室に冷蔵します。
効果的な組み合わせ
食物繊維のコレステロールを低下させる作用は重要ですが、ここでは、便秘改善に注目を。便通をよくするには、食物繊維・ビタミンB1・適量の油脂と砂糖が有効です。ビタミンB1を含む食品でごぼうに合う食材は、豚肉・うなぎ蒲焼き・かれい・大豆・ぶりなどでしょう。